日産車体株式会社取締役社長の冨山でございます。
日産車体は、1949年、鉄道車両および自動車の車体製作メーカーとしてスタートし、1951年より日産グループの一員として、神奈川県湘南地区および京都府宇治市においてその歩みを重ねてまいりました。 2000年には湘南地区に量産車種の生産を集約しました。そして、2007年には、将来にわたっての事業基盤を確立するため、新たに日産車体九州株式会社を設立し、2010年1月より、九州での新工場の稼働を開始いたしました。
日産車体では、湘南工場と日産車体九州の2つの生産拠点を持ち、湘南工場では、LCV(Light Commercial Vehicle・ 小型商用車)の「AD」、「NV200バネット」の2車種を生産し、日産車体九州では、ミニバンの「エルグランド」、大型SUV(Sport Utility Vehicle・スポーツ用多目的車)の「アルマーダ」、そしてLCVの「キャラバン」などの6車種を生産しています。
LCV・フレーム車の開発・生産においては独自のノウハウを持ち、日産グループのLCV・フレーム車の開発・生産支援を担っています。
当社の主要事業は次の3つになります。
1つ目は、「商用車・プレミアムカー」です。
独自性の進化・深化により、ものづくり技術力・生産性の向上を図るとともに、商品の付加価値を高め利益と売上台数の拡大を図ります。
2つ目は、「特装車」です。
将来の成長性と高い収益性が見込める特装事業において、お客さまのニーズの多様化に迅速に対応することで事業拡大を図ります。
3つ目は、「サポート事業」です。
サービス部品生産やエンジニアリング受託業務、電動化対応を含む各種サポート事業について、生産量・業務量の拡大を図ります。
当社は、「気候変動への対応の必要性」、「市場のニーズの変化」、「企業に求められる社会的責任の高まり」、「労働人口、従業員の意識の変化」、これらの環境変化を認識し、2023年度に2023-2027中期経営計画をスタートいたしました。
これらの環境変化を踏まえ、目指す姿を「商用車とプレミアムカー、特装車、サポート事業で社会に貢献し、お客さまから頼られる唯一無二の存在となる。」と定め、これら3つの主要事業の拡大を図ってまいります。
1つ目の柱は、「持続可能な企業基盤」です。
本中期経営計画では、活動の柱の中心に「持続可能な企業基盤」を掲げ、ESGすなわち「環境」、「社会」、「ガバナンス」の課題に取り組み、サステナビリティを中心に据えた事業活動を推進しております。
2つ目の柱は、「魅力ある商品の創出」です。
2024年度は、インフィニティQX80、日産パトロール・アルマーダのフルモデルチェンジを実施しました。さまざまな先進技術を搭載し、高級感、パワフルさ、快適な乗り心地を追求した日産を代表するフラッグシップモデルになっています。
特装車では、高規格救急車(パラメディック)において過去最高の受注台数を達成しました。また、新たな車中泊のカタチを提案する「MYROOM」シリーズでは、キャラバンMYROOMに続いてコンパクトなサイズのNV200バネットMYROOMの生産を開始し、好評をいただいています。
3つ目の柱は、「独自性の進化と深化」です。
湘南工場では、2025年末にADの生産終了を予定しており、NV200バネットの単独生産に対応した最適な工程の構築を図っていきます。
日産車体九州株式会社では、2024年度に生産を開始した新型車3車種の高い市場要望に応えるため、さらなる生産性の向上と生産能力を上げる取り組みを進めています。
サービス部品生産業務では、少量生産に対応する工法などの技術開発を推進し事業拡大と収益改善を図っていきます。
2023-2027中期経営計画の折り返しの年に当たり、引き続き、当社の強みである開発から生産まで一貫したものづくり体制の強化と、法令遵守やコーポレートガバナンス向上に取り組んでいくことで、ステークホルダーの皆さまからの信頼を高められるよう、努めてまいります。
2025年6月