環境・社会報告書2018
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今後の管理について土壌汚染の要因となる有害物質の過去の使用履歴をマップ化し管理しています。土地掘削を実施する前には、その使用履歴マップに基づき、土壌汚染調査を実施し、汚染土壌の敷地からの搬出を未然に防止しています。環境に優しい商品の購入環境に優しい車造りには、環境に優しい部品の購入が大切です。環境に配慮した仕入先から環境への影響が少ない製品(部品・材料)を優先的に購入する「グリーン調達」を実施しています。グリーン調達の実施数万点に及ぶ部品から成る車という製品をお客様に提供する私達は、部品を納入する仕入先と共同して、環境に影響の少ない、環境に優しい部品・材料のグリーン調達に取り組んでいます。調達コンセプトは次の3項目です。①環境負荷の小さい部品・材料②環境負荷の小さい部品製造工程③環境意識の高い仕入先環境負荷物質データの報告納入される部品・材料は、日産自動車独自の技術標準規格に基づく「環境負荷物質管理基準」に適合するよう仕入先にお願いしています。開発段階で、使用禁止物質の有無、注意を要する物質の使用量など、環境負荷物質データの報告を受けます。早い段階で環境負荷の状況を把握し、環境リスクを回避し代替技術の開発へとつなげています。環境マネジメントシステムの構築環境管理体制を確固たるものとするため、仕入先に対し環境マネジメントシステム「ISO14001またはそれに順ずる外部認証取得」の構築と運用の維持、レベルアップ、更新を推進しています。環境管理責任者の届出仕入先のグリーン調達活動推進と当社との連携強化のため、仕入先に環境管理責任者を選任していただいています。仕入先には、その環境管理責任者を通して当社の環境活動や製品の環境影響に関しての情報を提供しています。土壌・地下水の汚染予防環境保全上、土壌及び地下水への環境影響調査は重要であると考え、過去に使用していた化学物質の使用履歴調査や、土壌及び地下水調査を自主的に実施しています。汚染の調査と対応工場名調査事由(調査完了時期)汚染物質対応状況京都工場工場閉鎖時調査(2000年 ~2001年)ベンゼン・砒素の土壌汚染があったが、地下水に汚染はありませんでした。土壌浄化完了(2002年3月)第3地区土地購入に伴い、前所有者が工場廃止時に行った調査(2000年 ~2001年)六価クロム、フッ素の土壌汚染があったが、地下水に汚染はありませんでした。土壌入替完了(2002年5月)テトラクロロエチレンによる土壌と地下水汚染がありました。しかし敷地境界からの流出はなく、汚染は敷地内に限られています。土壌・地下水浄化とモニタリングを実施中。敷地境界からの汚染流出なし。第2地区自主調査(2001年 ~2004年)ごく一部の表層に鉛の土壌汚染があったが、地下水に汚染はありませんでした。当該地はコンクリートで覆われており、汚染土飛散の心配はありません。また、地下水汚染の心配はありませんが、念のため地下水のモニタリングを継続します。第1地区工場閉鎖時調査(2013年)調査した1,379地点の内、土壌ではテトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ベンゼンが各1地点、鉛が33地点、ホウ素、六価クロムが各1地点、フッ素が5地点、シアンが17地点での土壌汚染が確認され、地下水ではテトラクロロエチレンが6地点、ベンゼンが1地点、シアンが2地点検出され、それぞれ土壌汚染対策法の指定基準を超過していることが確認されました。これらの各地点は土壌汚染対策法による措置方法に従って処理を行いました。湘南工場第1地区を売却するため、2012年11月より「土壌汚染対策法」及び「神奈川県生活環境の保全等に関する条例」に基づく土壌調査を行い、2013年12月に平塚市にその結果を報告しました。その結果、平塚市より「要措置区域」と「形質変更時要届出区域」に指定されたことを受け、2014年3月より「土壌汚染対策法」に基づき土壌改良工事を実施、完了し、売却しました。生産環境報告13

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