環境・社会報告書2017
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資源の効率的な循環の一環としてクルマのリサイクルを促進するためには、新型車の設計段階から使用済み後のことを考えて設計することが必要です。そのために、環境に著しい影響を及ぼす物質の使用制限、リサイクルしやすい材料の積極的採用等、材料面からの改善を進めています。環境負荷物質の低減日産自動車のグローバル方針に基づいて、製品に含まれる化学物質の把握と管理を行い、以下のような環境負荷物質の全廃を進めています。◆  重金属化合物(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム)の削減 鉛  :  バッテリ、電子回路基盤及び電気用途のはんだ等 一部を除き全廃。 水 銀  :  ヘッドライト用の放電ランプ、ディスプレイ中の蛍光管等 一部を除き全廃を完了、またカドミウムについても全廃。六価クロム :  一部の地域を除き全廃し、残りの地域(北米、一般輸出等)については日産独自の目標を設定し、低減活動を推進。◆  特定臭素系難燃剤などの低減特定臭素系難燃剤(ペンタブロモジフェニルエーテル、オクタブロモジフェニルエーテル) : 全廃を完了。◆  車室内のVOC(Volatile Organic Compounds)の低減VOCとは、ホルムアルデヒドやトルエンなど、揮発性有機化合物の総称で、鼻やのどへの刺激の原因とされています。NV350キャラバンにおいて、車室内のVOCを低減するため、シートやドアトリム、フロアーカーペットなどの部材や接着剤を見直すことでその揮発量を抑制しました。また、厚生労働省の定めた13物質※1について、室内濃度指針値を下廻るレベルに低減しました。リサイクル性向上循環型社会の構築を目指し、3R(リデュース・リユース・リサイクル)の考え方を基本に、さまざまな改善提案を織り込んだ「リサイクル設計ガイドライン」を作成し、新型車の設計を行っています。<3R>リデュース : 廃棄物となるものを初めから減らす。リユース : 使用済み部品を中古部品として再利用する。リサイクル : 元の材料に戻す。(再生利用)汎用性が高いため自動車以外でも再利用が可能ポリプロピレン(PP)製部品状態が良ければ日産グリーンパーツとして、それ以外は樹脂材料として再生利用日産グリーンパーツ(中古部品)として再利用リユース部品粉砕し再生利用が可能マテリアルリサイクル部品ポリプロピレン(PP)製バンパーリサイクル改善内容リサイクルの内容NV350キャラバンの対応・  リサイクルが容易な材料の採用・ 単一素材での部品設計の推進・ 熱可逆性樹脂の採用拡大・ 材料別表示(マーキング)の実施・  市場より回収した部品の 材料を積極的に採用・ バンパーリサイクル材の活用・ シュレッダーダストの活用リサイクル可能率95%以上を達成リサイクルリサイクルリデュースリデュース新車使用済み車シュレッダーダスト使用済み部品原材料化使用済み部品原材料化オーナー使用資源循環の流れリユースリユース※1  厚生労働省の定めた13物質 : 厚生労働省がシックカー及びシックハウス症候群の原因となるVOC(揮発性有機化合物)の室内濃度指針値を定めた13の物質。(ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼン、エチルベンゼン、スチレン、クロルピリホス、フタル酸ジ-n-ブチル、テトラデカン、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、ダイアジノン、アセトアルデヒド、フェノブカルブ)環境負荷物質の低減とリサイクル性の向上商品開発NV350キャラバンにおける主なリサイクル対象部品例環境報告6

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